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屋根工事の吊子完全ガイド!施工手順と最新版トラブル対策集


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「屋根工事の見積もりに『吊子』という言葉があったけど、これって本当に必要なの?」「ピッチや固定間隔の違いで雨漏りするって本当?」そんな不安を感じていませんか。

実際に、立平葺きや瓦棒葺きといった屋根工法では、吊子の施工精度が屋根全体の耐久性に直結します。間隔を誤ると金属板の浮きや雨漏り、部材の脱落などのトラブルに発展することも。特に303mm〜455mmという定められた吊子の間隔を守らない施工例は、現場でも多く見られます。

この記事では、現役の板金施工者の視点から、屋根下地と吊子の関係、ハゼ締めの施工手順、施工ミスを防ぐ実務ノウハウまでを徹底解説。画像や実例も交え、初心者でも施工意図と効果が理解しやすい構成です。

最後まで読むことで、「なぜ吊子が必要なのか」「どうすれば雨漏りや施工ミスを防げるのか」が明確になり、屋根工事の判断力が高まります。信頼できる工事を選ぶためにも、正しい知識を手に入れてください。

 

吊子とは?屋根工事における基本構造と役割を徹底解説

屋根工事で使われる「吊子」の定義と読み方

屋根工事において重要な部材である「吊子」は、「つりこ」と読みます。吊子は金属屋根の施工に使われる専用の留め具であり、屋根材を下地に対して確実に固定する役割を果たします。特に瓦棒葺きや立平葺きといった金属屋根の工法で多用され、目に見えない部分で建物の防水性と耐久性を支える縁の下の力持ちです。

吊子の主な役割は以下の通りです。

  • 金属屋根材をしっかりと固定する
  • 強風や地震などの外的力から屋根材が外れるのを防ぐ
  • 屋根材と下地材の間に隙間を設け、通気性を確保する
  • ハゼや心木との連携により構造の安定性を保つ

この部材は一般的にステンレス鋼や溶融亜鉛めっき鋼板で作られており、長期間の使用に耐える耐食性を備えています。施工時には屋根材の下に隠れて取り付けられるため、完成後には外から見えることはありません。そのため、外観を損なわずにしっかりと固定できる点が大きな特長です。

さらに、吊子には工法や屋根形状によって複数のタイプが存在します。たとえば以下のような分類があります。

吊子の種類 使用屋根タイプ 特徴
瓦棒吊子 瓦棒葺き 心木と屋根材を連結する金具。隠し留めに最適。
通し吊子 瓦棒葺き・立平葺き 長尺対応型。軒から棟まで貫通するタイプ。
止め吊子 一般金属屋根全般 必要箇所ごとに取り付け。自由度が高い。
折板吊り子 折板屋根 工場など大面積屋根に使用。耐風性能が高い。
天井吊り金具・吊りボルト 折半屋根 天井側の固定に使用。吊天井構造に対応。

こうした多様性があるため、現場ごとに最適な吊子の種類と設置方法を選ぶことが非常に重要です。適切な選定ができていないと、屋根材の浮きやズレ、最悪の場合は落下といった重大な施工不良に繋がる恐れもあります。

また、施工にあたっては「吊子のピッチ」、すなわち取り付け間隔も厳密に管理する必要があります。立平葺きでは300〜455mmが一般的なピッチとされ、設計強度や地域の風荷重に応じて調整されます。

建築専門家や板金職人にとっては基本的な知識ですが、施主にとってはあまり馴染みがなく、聞き慣れない部材でしょう。しかし、この小さな部品こそが屋根工事の仕上がりや耐久性を左右する重要な要素となっています。

建築用語としての成り立ちとハゼとの違い

吊子という言葉は建築業界においては古くから使われている専門用語です。屋根の下地構造に金属屋根材を取り付ける際、目立たないように留め付ける部品として進化してきました。金属板の薄さと軽さを活かす屋根構造において、吊子は構造強度を保ちつつ、美観も損ねない設計を可能にします。

一方で、混同されやすいのが「ハゼ」です。ハゼとは、金属板の端部を折り重ねて継ぎ目を作る部分で、屋根の防水性を高める仕組みです。ハゼは屋根材同士を接合するための工法・形状を指し、吊子とは機能も取り付け位置も全く異なります。

以下に、吊子とハゼの違いを整理します。

比較項目 吊子 ハゼ
機能 屋根材を下地に固定する部品 金属屋根材の接合部・防水処理
設置位置 屋根下地と金属屋根材の間(見えない) 金属屋根材の継ぎ目(屋根の表面)
視認性 完成後は非表示 屋根表面に露出(目視可能)
材質 鋼板・ステンレス等の金具 金属板材の一部(折り返し)
工法関連 吊子工法、通し吊子工法など ハゼ式工法、縦ハゼ葺き、立平葺きなど

このように、吊子は屋根構造の裏側で固定機能を果たすものであり、ハゼは屋根材自体のつなぎ目に関わる要素です。施工の際には両者の特性を理解し、それぞれの正しい配置と組み合わせが求められます。

特に、立平葺きや縦ハゼ葺きの屋根では、吊子とハゼが密接に関係します。吊子で屋根材を固定し、ハゼで継ぎ目を巻き込むことで高い防水性と意匠性を同時に実現するため、設計者・職人双方に高度な知識と技術が求められます。

誤った認識で設計・施工すると、雨仕舞に不備が生じ、漏水や風による損傷の原因にもなります。したがって、吊子とハゼは混同せず、それぞれの専門的な理解が必要です。

 

吊子の種類と名称一覧!屋根材別・工法別の分類と選び方

瓦棒葺きと立平葺きの構造比較

金属屋根工事においてよく採用される「瓦棒葺き」と「立平葺き」は、どちらも吊子を用いて屋根材を下地に固定する方法ですが、その構造や適用範囲には明確な違いがあります。屋根の勾配、意匠、通気性、メンテナンス性などを考慮し、それぞれの工法に適した吊子を選ぶことが重要です。

瓦棒葺きは、古くからある金属屋根の工法で、心木を芯にして屋根材を固定する構造です。一方、立平葺きは近年主流となっている工法で、心木を用いず金属板自体を折り曲げて立ち上がらせ、その立ち上がり部で屋根材同士を連結します。これによりシンプルな形状と高い防水性能を兼ね備えています。

両者の主な構造上の違いと、吊子の使われ方を以下の表にまとめます。

比較項目 瓦棒葺き 立平葺き
吊子の位置 心木の下部に取り付ける 働き幅の端部に定間隔で配置
使用される吊子の種類 瓦棒吊子、通し吊子、止め吊子 立平専用吊子、通し吊子
心木の有無 あり(従来型)、なし(新型あり) なし
雨仕舞の性能 中程度(構造により変動) 高い(ハゼ締めで強固に接合)
適用屋根勾配 2.5寸以上が推奨される 1寸勾配〜対応可能
メンテナンス性 心木の腐食で交換が必要になる場合も シンプルな構造で維持管理が容易

瓦棒葺きにおいては、特に「通し吊子」が多く用いられます。これは屋根の軒先から棟まで一体で通す吊子であり、強度と一体性が高いのが特長です。また、「止め吊子」は必要箇所のみをピンポイントで固定する方式で、施工の自由度が高くなります。

立平葺きでは、吊子の間隔を厳密に守ることが求められます。ピッチは一般的に303ミリまたは455ミリで設計され、地域の風圧係数や建物の高さに応じて調整されます。間隔が不均一だと屋根材が浮いたり、雨水が浸入するリスクが高まります。

近年では心木を使わない「心木なし瓦棒葺き」も登場し、ステンレスやガルバリウム鋼板といった高耐久性の金属板と相性が良く、軽量で強度のある施工が可能です。住宅だけでなく倉庫や工場など非住宅分野にも採用が広がっています。

屋根工事の目的や構造条件に応じて、瓦棒葺きや立平葺き、使用する吊子の種類を正しく把握することで、安全で美しい仕上がりが実現します。

 

施工現場での吊子工法と取り付け手順・注意点とトラブル回避策

図解付きの施工ステップ(屋根下地・固定・ハゼ締め)

吊子工法は金属屋根の施工で広く採用されており、特に立平葺きや瓦棒葺きなどの工法において、屋根材を下地に固定する際に欠かせない要素です。施工の精度によって防水性・耐風性・耐久性が大きく左右されるため、各ステップの理解と正確な実施が求められます。ここでは、現場で実際に行われている吊子工法の施工ステップを段階的に説明します。

作業手順は以下の流れが基本です。

1 屋根下地の確認と墨出し
2 吊子の設置位置を決定し、取り付け
3 立平葺きなどの屋根材を順に載せる
4 ハゼ締め機やハンマーでハゼをしっかり締結
5 軒先・棟部の処理と最終確認

下記に、各工程ごとの詳細と注意点を表にまとめます。

施工工程 内容 注意点
屋根下地の確認 野地板や防水紙が正しく施工されているかを確認 野地板の不陸があると吊子の水平設置に支障が出る
墨出し作業 吊子を取り付けるラインを正確にマーキング 働き幅やピッチがずれると屋根材が浮いたり波打ちになる
吊子の取り付け 墨に沿って通し吊子や止め吊子をビス・釘で固定 強く締めすぎると歪み、緩すぎると浮き・外れの原因になる
屋根材の設置 吊子に屋根材を掛け、順に重ねながら配置 逆方向に施工するとハゼが締まらず雨漏りの要因となる
ハゼ締め ハゼ締め工具で端部をしっかりと噛み合わせる 締め不足は浮きやバタつきの原因、締めすぎは変形リスクあり
仕上げ処理 軒先・棟・ケラバにキャップを取付けて端部を納める 納まり不良は風による剥がれや浸水の直接的原因になる

このプロセスでは、屋根の「勾配」や「屋根材の種類」「下地の材質」によって細かな調整が必要になることがあります。特にハゼ締め作業では、ハゼ締め機を用いることで均一な力を加えることが可能ですが、旧来のハンマー締めでは職人の技術に依存するため、施工者の熟練度によって仕上がりに差が出るのも事実です。

また、現場では「タイトフレーム」などを併用する場合もあり、構造材に吊子を直接固定せず、フレーム経由で力を分散させる工法も取られています。これは工場や倉庫など大型物件で多く、耐震性や施工スピードを高めるために有効な方法です。

施工ステップごとの品質確保には、作業ごとにチェックリストを設けて、以下のようなチェック体制を導入するのが望まれます。

  • 墨出し精度(±3mm以内)
  • 吊子の水平・垂直確認(水平器・レーザー使用)
  • 締結部のトルク管理(ビスの打ち込み強度)
  • ハゼの締結具合(バタつき・浮きの確認)
  • 納まり部の防水処理チェック(ブチルテープ・シーリング確認)

このように、吊子工法の施工ステップは一見シンプルでも、各工程に高い精度と専門知識が求められます。図面や仕様書だけでは伝わらない現場ノウハウも数多くあり、職人の経験とチームの連携が品質を支える大きな要因となります。

吊子の間隔と位置の基準(立平葺き 吊子 間隔)

立平葺きにおける吊子の間隔と設置位置は、屋根材の性能を最大限に引き出し、長期的に安定した性能を維持するうえで極めて重要です。間隔の設定が甘いと屋根材の浮きや変形を招き、逆に過密すぎるとコストと作業効率を大きく損ないます。

標準的な立平葺き用吊子の設置ピッチ(間隔)は、以下の通りです。

屋根形状・条件 吊子間隔(mm) 備考
一般住宅(風速25m/s以内) 303〜455 最も標準的な範囲で施工マニュアルに準拠
高層住宅・風の強い地域 303以下 耐風性を強化するため間隔を狭めて対応
工場・倉庫などの大型屋根 500〜600 下地が強固な場合に限定、詳細設計が必須
勾配が緩い屋根(1寸以下) 300前後 水の流れが遅くなるため、間隔を狭め防水性を強化

立平葺きにおいては、ハゼと吊子が一体となって働き幅(1枚あたりの幅)を構成するため、吊子の位置がずれるとハゼの締結不良や屋根材のズレに直結します。そのため、墨出し時点で吊子の設置位置を正確に確定させることが不可欠です。

設置位置の基準点は「軒先」から計測するのが基本で、最初の1本目を正確に取り付けられれば、その後の吊子は定間隔で設置していくことが可能です。とはいえ、施工中の気温変化や屋根のたわみによって微細なズレが生じやすく、それを補正するために「仮締め」や「下地調整」が随所で行われます。

間隔設定で考慮すべきポイントは以下の通りです。

  • 風荷重計算による設計風圧値に基づいた間隔設定
  • 地域の気候(豪雪・強風・塩害)への適応
  • 屋根材の厚み・形状に応じた固定力の確保
  • 使用する吊子の素材(ステンレス・亜鉛めっき鋼板など)の強度差

吊子の選定だけでなく、設置間隔を細かく設定することが、屋根全体の耐用年数や点検頻度にも大きく影響します。さらに、折半屋根や瓦棒葺きなどの別工法では、同じピッチでも適用条件が異なるため、製品ごとの施工マニュアルを必ず確認し、構造計算と照合することが求められます。

 

まとめ

屋根工事における「吊子」は、施工精度や耐久性に直結する重要な部材です。

特に立平葺きや瓦棒葺きといった金属屋根では、吊子の取り付け位置や間隔のずれが雨漏りや屋根材の浮き、バタつきなどの不具合を招く恐れがあります。たとえば、立平葺きの吊子ピッチは303mm〜455mmが基準で、これを超えると固定力が低下し風による浮き上がりが発生することもあります。

この記事では、施工現場で起こりやすい「間隔ミス」や「ハゼ締め不足」によるトラブルを例に挙げ、仮締めと本締めの違いやタイトフレームの補強方法を図と共に詳しく解説しました。実務に即した構成で、初心者でも理解しやすく整理しています。

「専門用語だから関係ない」と思っていた方も、工事を依頼する際に施工内容を正しく判断するための視点が得られたのではないでしょうか。屋根は建物の中でも特に環境負荷の大きい部分だからこそ、基礎知識がトラブル予防と修繕費削減につながります。信頼できる施工業者を選ぶためにも、本記事を工事前の参考にしてください。

 

よくある質問

Q.屋根工事で吊子を使用する場合、施工費用はどのくらい変わりますか?
A.吊子を使用した屋根工事では、使用する吊子の種類や屋根の形状、施工範囲によって異なりますが、一般的には止め吊子のみの施工に比べて通し吊子を用いる場合、1平方メートルあたり1000円〜2000円前後の費用差が出ることがあります。特に軒先や棟部など風圧が強い部分には高強度の部材を使用することが多く、金属板やフレームの選定も価格に影響します。見積書では施工部分ごとの部材費や施工手順を詳細に確認しましょう。

Q.立平葺き屋根における吊子の間隔はどれくらいが理想ですか?
A.立平葺きの屋根施工では、一般的に吊子の間隔は303mm〜455mmが標準とされています。この範囲は屋根全体の荷重バランスと風圧耐性を考慮して決められており、間隔が広すぎると板金部材が浮いたり、ハゼ締めが甘くなることで雨漏りの原因になります。逆に間隔を詰めすぎるとコストが増加しやすくなるため、現場の屋根形状や屋根材の強度、施工条件に応じて調整することが大切です。

Q.吊子を使わない工法(直打ち・心木式)とのコスト差はどのくらいありますか?
A.直打ち工法や心木式は初期コストを抑えやすく、シンプルな屋根構造では施工費用も安く済みます。一方で吊子を使った工法は金属板やタイトフレームといった部材が増えるため、平均的に10%〜20%前後費用が上がる傾向にあります。ただし、耐久性や修繕リスクを考慮すると、長期的なメンテナンスコストの低減に繋がることも多く、総合的なコストパフォーマンスは吊子使用に分があります。

Q.吊子の施工不良によって発生するトラブルにはどんなものがありますか?
A.吊子の間隔や取り付け位置が適正でない場合、施工完了後に浮きやズレが発生し、屋根材が風でバタついたり、強風時には部材脱落の危険があります。特に軒先や棟部は風圧が集中しやすく、締め付け不良による金属板の変形や折板の膨らみが雨漏りの原因になることもあります。2025年現在も現場でのトラブルの多くはこうした初期施工ミスに起因しており、事前の施工説明や画像による進捗確認が重要です。

 

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